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説明できない出来事
どこかのブログに書いたような気がするのですが、見つけることができなかったので
きりぎりすの生きる道
として、思い出しながら書いてみます。
その人と会っていたのは、ほんの少しの時間だったのですが、後から考えるととても不思議な気がします。
家族の病状が厳しい日々
そのとき、”きりぎりす”の家族が病気で、厳しい状況にありました。
経験がない若い方もいるかもしれませんが、ほとんどの方には似たような経験があるかと考えます。
- 何をしても、心は別のところ
- 面白いものを見ても笑うことができない
- 毎日がつらくてたまらない
- 食欲も出ない
- ゆっくり眠れない
気分はどん底で、精神的にも肉体的にも疲れてしまっている、そんなある日のことでした。
買い物帰りの地下鉄
気分転換に買い物に出かけ(全然気分は変わりませんが)、買い物袋を抱えた”きりぎりす”は地下鉄の中で居眠りをしていました。
こういうところって、意外と落ち着くんですよね。
乗ったときには座席が空いていて、立っている人はいなかったと思います。
見知らぬ紳士
ふと目を開けると、目の前に1人の紳士が立っていました。(60代ぐらい)
紳士は
「降りて、ちょっとお茶でも飲みませんか」
なんだそんな用事か
もちろん、ナンパのような話に付き合う気分ではなく
「いいえ」
と返事して、ほぼ無視するような態度を取りました。すると、その紳士は
「ずいぶん苦しそうな表情をしていましたよ。どうしたのですか?」
おそらく、その人の言っていることは間違いなく、”きりぎりす”は苦痛の表情を浮かべて居眠りをしていたのだと思います。
しかし、あまりにも唐突な質問を、見知らぬ他人にされても
驚きと不信感がいっぱいで、何も言うことはできませんでした。
ましてや、家族が・・・なんて言えるはずもありません。
心の中で
”なんで、あんたがそんなこと言うの、放っといてよ”
そうつぶやいていたに違いありません。
そんな無反応な態度を見て、紳士は車両から降りて行きました。
ふと、
”この人の目的はなんなのだろう?”
”ここで、降りる予定だったの?”
と考えて、動き出した地下鉄からホームの人を目で追いましたが
紳士の姿を見つけることはできませんでした。
紳士の謎
ふつうに、ナンパしてきたおじさん
そういうことなら、なんの不思議もありません。でも、明らかに不可解なことがいっぱいです。
- その人は、降りる駅がもっと先だったはずなのに、断ることで降りてしまったのでは?
- そのあと、消えてしまった(?)
当時の”きりぎりす”は、40代後半です。
そのぐらいの年齢差の人が、苦しそうな表情をしていると言う理由で、見知らぬ他人に声をかけるでしょうか?
苦痛の表情をしていたとして、実際はとても充実している人かもしれません。判断は難しいと思います。
ピント外れかもしれないのに、声をかけるのはかなりの勇気が必要なはず
ましてや、そんな会話は他の人の手前、言いにくい内容ではないでしょうか。
謎の解読
一体誰だったのかということについて、”きりぎりす”なりに考えました。
彼の目的は、お茶を飲むことではない(相手が断ることは承知している)
ただ
『そんな表情をしていてはいけないよ』
と知らせるためだけだったのではないでしょうか。
だとしたら、彼は誰?
どんな顔をしていたのか、チラリとしか見なかった気がします。
ビジネスマンではなく、荷物は持っていませんでした。
”きりぎりす”は、考えます。
彼は、”きりぎりす”の先祖、もしくは守護霊だったのかもしれない
その後、”きりぎりす”は、そんな表情をしていたのではいけないと反省しました。
笑う門には福来たる
というぐらいなのですから、明るい表情をしていたらよいことがあるし、暗い表情だとろくなことがないのかもしれません。
しかし、つらいときでも、そんな表情をしないということは難しいことです。
人前ではなんとかごまかせても、1人になると自分の気持ちを隠せません。
たった1人のとき、そのときは表情を作ることができなくても、少なくとも誰かに見られる可能性があるとき、それが知らない人であっても、人前では苦しい表情をしないようにしたいものです。