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加賀乙彦さん
プロフィール
加賀乙彦さんは、有名な方です。
一般的には、小説家ということで知られていますが、お医者さんでもあります。
- 生年月日 1929年4月22日
- 東京大学医学部卒業
- 小説家、精神科医
ウィキペディアを見ると、その経歴に驚いてしまうことでしょう。
”きりぎりす”は、加賀乙彦さんの大ファンですが、会ったのは(見たのは)1回しかありません。接点などどこにもないほど偉大な方です。
加賀さんとの出会い(講演会)
加賀さんのことを知ったのは、小説です。
その後、興味を持ち続け、あるとき加賀さんの講演会があることを知りました。
それは、阪神淡路大震災の少し後のことで、もう25年ほど前のことになります。
講演会の場所がどこだったかも、全く覚えていません。
加賀さんは小説家ですから、そのお話も面白く、内容を今でも覚えています。
講演会の内容
阪神大震災の後、加賀さんのところに
「先生、こっちに来てくださいよ」
と、病院関係者からの依頼があったそうです。そこで、加賀さんは何か必要なもの、ほしいものはあるかと聞いたそうです。
すると
「お花を持ってきてください」
という返事があり、加賀さんは東京から花束を持って行ったのだそうです。
その花束は、おそらく相当大きなものだったのではないかと推測されます。
大阪について、病院へ行くまでにバスに乗ったのだそうですが、被害地に向かうそのバスは満員。大きな花束を持った加賀さんは奥の方に入ってしまい、降りるときに困ってしまいました。
どうやって降りようかと思っていたとき
乗客たちが
「花束、持って行くんだね?」
と言って、次々と後ろから頭上の手渡しで、花束を出口まで運んでくれたのだそうです。
すばらしいリレーですよね
そして、到着した病院でも、お花は大歓迎されたとのことです。
必要な物資もないような中、お花なんてなかなか余裕はありません。でも、お花は人の心に明るい光を灯してくれます。
小説 宣告
”きりぎりす”は、加賀乙彦さんの職歴の中に、ちょっとだけ共通する点があります。
それは、この衝撃的な小説『宣告』に関わりがあることです。
宣告は、1953年に実際に起きた”バー・メッカ殺人事件”を小説にしたものです。
1984年、テレビドラマ化されました。
萩原健一 主演
殺人を犯した死刑囚の死刑になるまでの経緯を、実際に死刑に関わるものとして描いている原作、そしてそのドラマは一般の人には知ることができなかった現実を目の前にたたきつけています。
ドラマに出演した方の演技も素晴らしかったので、見た人は忘れられない作品となりました。
萩原健一さんの演技は圧巻で、ずっと俳優として続けていてほしかったと思います。恋人役の金沢碧さんが、加賀さんと同じ精神科医を目指していたというのも、不思議な巡り合わせではあります。
ごく普通の若者が転落して、犯罪を犯し、やがては死刑の日を迎える。
社会の日が当たらない部分を知りたい方、興味のある方は『宣告』で日本の死刑について学ぶことができます。
実際、小説が書かれたときから、制度に変化はないので参考になります。
カトリックの洗礼
職種の面で、ちょっとだけ共通点があることを除き、接点のない加賀さんですが、もうひとつの共通点はカトリックの洗礼を受けているということです。
遠藤周作さんの影響で洗礼を受けたとのことですが、小説の中にもカトリックのことはよく出てきます。
精神科医として研究していて、カトリックについて重要性を感じたのでしょう。
刑務所で刑期を過ごしている受刑者、拘置所で死刑を待つ犯罪者には、宗教に興味を持ち、信者になる人も多く、精神面で人を助けてくれる役割があることは間違いないと思っています。
さらにウィキペディアには、加賀さんの言葉として、次のような記載もあります。
私は正田昭からキリスト教を学んだと言えるでしょう、不思議なことでした。死刑囚からキリスト教を教わり、そして信者になる。まさに私の恩人の一人
もし、機会があれば、加賀さんの講演には参加したいと考えています。
そして、貴重なお話を聞かせてもらいたいです。
”きりぎりす”ちょっと真面目な、人物紹介でしたw