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カトリックとのおつきあい
カトリックの信者として、”きりぎりす”が長いお付き合いをすることとなった、スタート地点。
それは幼稚園です。
あまりにも昔のことなので、記憶にあるのはポツン・ポツン
それでも、のほほんとして好き勝手に成長していた”きりぎりす”が、ここで1発気合いを入れられたことは確かなことです。
ギャフーーーン!!
高知市聖園幼稚園(みそのようちえん)
厳格な幼稚園
高知市にある聖園幼稚園は、当時シスターが数名いて孤児院も併設していました。一般社会とは一線を画すそんなイメージの世界でした。
写真にもそういう雰囲気は現れていますよね。
突然の宣言
幼稚園に入園する年となり、どこの幼稚園にしようかと親が考えていたころ
「聖園幼稚園へ行く」
と、”きりぎりす”は宣言しました。
なぜそうなったかは不明ですが、近所に1人だけ通園している子供がいて、その制服をみて幼いながら、おしゃれ心が目覚めたか、あるいは入園することが難しいと聞いて変な気を起こしたか?
しかし、その宣言を聞いて困ったのは親でした。おそらく聖園幼稚園はお金がかかる。私立でスクールバスはある、制服はある、家計が厳しいのは目に見えています。
さらに困らせたのは、続く第2宣言
「聖園幼稚園しか行かない!」
難関の幼稚園
聖園幼稚園に行きたい子供は近所にたくさんいるにも関わらず、実際に通園しているのは1人しかいませんでした。それは難関と言われる入園試験があるからなのです。
「聖園幼稚園しか行かないって、受からなかったらどうするんだ?」
と親は困っていたでしょう。
その入園試験では2つのことを覚えています。
- 三角形を書くことができなかった
- 電車ごっこでは、車掌さんになると言った
三角形については、おそらく他の質問にすべて答えられたのに、できなかったから覚えているのでしょう。
電車ごっこは、やりたかった車掌さんになれたのでうれしかったのでしょう。
親から聞いた後日談では、発表までの1週間は寝ることができなかったそうです。幼稚園に行かない子供をどうしようかと悩んでいたに違いありません。
残されて怒られた
恐ろしい先生
ここで”きりぎりす”は、こっ酷く怒られました。
怒られた理由は覚えてないのですが、その先生は”きりぎりす”を呼び出しました。初めての呼び出しです。
スクールバスは何回か巡回しているのですが、その日はいつものバスに乗れずに最終バスで帰った気がします。バスには誰も乗っていなかったような。
怖い先生で、”きりぎりす”は泣きました。ただ、そのころはちょっと演技がかっていて、本気で泣いたかどうかはわかりません。この先生は恐ろしくて、泣かないと返してもらえないと悟り、泣いた可能性もあります。
しかし、自分が悪かったのは自覚したらしく、このことは親にも話したことがありません。小さな胸にずっとしまったままの出来事です。
卒園後
そんな”きりぎりす”も、卒園してからはカトリックとの関わりがありませんでした。
高校入試で、カトリックの学校を希望したことがありますが(制服に憧れて)父の転勤で、入試を受けることもかないませんでした。
運命の導き
教会に行くでもなく、夜のお祈りだけはしていましたが、その後に信者になるということも考えずに時は流れました。現在の”きりぎりす”は、カトリックでなければありえなかったということをたくさん経験してきました。
そう考えると、突然宣言した幼い”きりぎりす”の運命は、そのとき大きく動きかけたということなのでしょう。