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セビリアの万博を見に行く
スペイン、セビリアの万博は1992年に行われました。この年はバルセロナでオリンピックもあり、スペインはとても賑わっていたのです。
当時、アンダルシアのグラナダに住んでいた”きりぎりす”は、日本でお世話になったシスター(スペイン人)がセビリアにいたこともあり、万博を見に行くことにしました。
グラナダ〜セビリア夜行バス
最近では、かなり便利になってきているものの、アンダルシアの移動はバスの方が圧倒的に便利です。特にグラナダというところは山の中にあるために、そこそこ大きな都市でありながら鉄道でのアクセスはよくありません。
バスの発車予定時刻は、24時を回って翌日の時刻になっていました。つまりは真夜中です。
バスに乗ってみると、ガラガラではありましたが、やはりセビリア行きということで万博が目当ての外国人(スペイン人以外)もちらほら見えました。
バスの乗客数が合わない
発車時刻になり、運転手が人数を確認しました、どうやら合わないようです。
人数が足りない場合は、行けなくなったとか、行くのをやめたとかになるので、そのまま出発すればいいようなものの
「1人多い」
と運転手は言いました。
そして、まず”きりぎりす”のチケットを確認します。
どう見ても、正しいチケットです。
一応、全員確認しても、誰が予定外の人物かはわからなかったようです。
一番怪しそうなのは”きりぎりす”ですよね、アジア系は他にいません。きっと乗客全員が疑っています。
運転手がもう一度チケットを見せてと言って、持って行きました。
まだ、疑ってるな💢
運転手は、ヨーロッパのどこかの夫婦?と話し始めました。なにやら聞こえてくる話に聞き耳を立てていると、その夫婦は前日のチケットを持っていたようです。”きりぎりす”のチケットを見せて、この日付が正しいと言っています。
時刻が24時を過ぎているので、出発日の早朝チケットを持っていなければならないところ、前日の早朝を買ってしまった。
まあ、間違えそうな話ですが、
今日が何日か
ということを考えれば、買うべきチケットはわかりますよね。外国人なだけにチケット売り場でのやりとりが的確に行われなかったのでしょう。
運転手さんは、この間違ったチケットを持っている夫婦も乗せて、セビリアへ出発しました。
しかし、多いのは1名じゃなくて2名じゃないのですかね?ま、いいか。
めでたし、めでたし
セビリア万博反対運動
バスの乗客が多かった事件は、これで終わりですが、セビリアに着いてからもう1つ事件があったので、それをお伝えします。
バルでのランチ
スペインのランチは午後2時ごろから始まります。12時ごろにお店に行っても準備されていませんので気をつけましょう。
その日は、遅いランチの時間も終了したような時刻に、バル(軽食屋さん)に入って食事をしていました。
店の外にもオープンエアの席がありましたが、日本人は外で食べるのはイマイチ、ってことで”きりぎりす”は店内を選んでいましたが、
この選択が間違っていたなら?
と考えると、ゾッとします。
暴動が近づいてきた
突然、外が騒がしくなってきたと思ったら
若者と警官が外を竜巻のように走り抜け、ヘリコプターも飛んでくるし
なに!戦争かっ!
みたいな大騒ぎが起こりました。
砂煙の中で警官と争い、引きずられて行く人
色々な物が飛び交っています。
”きりぎりす”は自分の席で、外を見ながら立ちすくむのみです。
店の人がドアを閉めたので、中になだれ込んでは来ませんでしたが、その暴動が過ぎた後は外のテーブルや椅子は壊れたり散乱し、置いてあった付近の店舗の大型ゴミ箱が全部ひっくり返っていました。
そんなの見たことありません!
昔、日本でよくあった内ゲバ・外ゲバはこんな感じだったのでしょうか?
しばらくの間、バルの中で呆然としていました。
一体何の騒ぎだったのか”きりぎりす”には、さっぱりわかりませんでした。お店の人に聞いたらセビリア万博の反対運動なのだと教えてくれました。
その後も、セビリアを離れるまでに反対運動の旗などを見ることがありました。
万博やオリンピック、日本では賛成派が多数のようですが、世界では多額の出費を必要とするこの種のイベントへの反対が多いということも知っておくべきでしょう。