目次
海外旅行のホテル予約
今どきの旅行は、出発前にホテルを予約するのが普通ですが、以前は日本で海外のホテルを予約することができませんでした。ま、高級ホテルで日本に代理店があるというのなら別ですが。
たとえその国に滞在中だとしても、インターネットなどないのですから、予約するには電話しかなかったのです。
3ヶ月以上は、1つの国に滞在できない
”きりぎりす”がスペインに滞在していた頃のルールは
同じ国に3ヶ月以上滞在できない
というものでした。
つまり、3ヶ月になる前にスペインを出なくてはならないのですが、日本に帰る必要はなく、お隣の国に入ったという記録ができればよいということになっていました。
スペインを脱出してポルトガルへ
スペインの隣国は、陸続きだとフランスかポルトガルです。
そのときは、ちょうどポルトガルに近いサンチアゴ・デ・コンポステーラに滞在していたので、ポルトガルに入国しようとしました。
2泊か3泊で、ポルトガルのポルトを目指したのです。
サンチアゴ・デ・コンポステーラからポルトへ
現在はどういう状況かわかりませんが、当時のアクセスは相当悪かったです。
乗った列車は途中までで、後続がなかなか来ない、仕方ないのでバスターミナルに行ってバスに乗り継ぐことにしました。
しかし、ですよ。
たぶん読んでる方が想像するのは、
ここまで乗って、バスでここまで、到着時間は何時から何時ぐらいと予想ができているのではないですか?
そんな予定は立てられないのです。なぜってガイドブックも何も資料が全くありません。
サンチアゴ・デ・コンポステーラから列車に乗りました。
◯◯行き
「あ、そこまでしか行けないのか!」
列車を降りました。時刻表を見ると、後続まで4、5時間もある。
「バスにしよう!」「バス停はどこ?」
「バスも2時間後かー、仕方ないな」
という調子で乗ったバスは、途中から結構な渋滞に巻き込まれて進みません。
やがて日は暮れて、外は真っ暗
「ホテル、見つかるかなあ」
到着した時間が結構遅かったので、先に食事をしなければと考えて夕食をすませました。さてと。
夜中のホテル探し(ポルト)
この当時のホテル探しは、実際に見て選ぶ という方法です。
マドリッドでホームステイしていたときには、家のバスタブを使えなかったし、サンチアゴ・デ・コンポステーラでシェアしていたマンションもシャワーだけだったので、この旅行のホテルは
絶対、バスタブを使いたい
と考えていました。
バスタブがあるのは、そこそこ大きめのホテルだけです。
一度、適当なホテルが見つかったのですが、ちょっと予算オーバーだったので、
「もうちょっと探すわ」
と、そのホテルを後にしました。しかし、歩いても歩いてもなかなか見つかりません。
宿主を起こす客
そんなことをしていると、0時を過ぎてしまいました。
家族経営っぽいホテルに行くと、もう休んでいたようでパジャマのまま部屋を見せてくれました。ですが、バスタブがありません。
「ごめんね、バスタブのある部屋を探してるの」
と行って去ろうとすると、パジャマ姿の夫婦が外まで出てきて、手を振って送ってくれました。(今でもその姿を覚えています)
悪いことしたなあ〜
と思いつつ、一度目をつけたホテルに戻って、チェックインしました。
廊下に鍵がかかっているホテル
ホテルのお姉さんは、戻ってきたかという感じで部屋に案内してくれましたが、”きりぎりす”の部屋へ行く途中、廊下に入るためのドアを鍵で開けていました。
それって、どういうこと?
どう考えても使ってない部屋って感じですよね。もしかして何かいわくのある開かずの間を使うのだろうかと心配しつつ、疲れていたし遅かったので、バスタブに浸って満足した後、すぐに寝てしまいました。
部屋の裏側に壁がない
翌日の朝食はフロントの横の部屋で、内容はなかなかよかったです。なんたって予算オーバーなんですから、それぐらいでなくちゃあね。
でも、その朝食をしていた後ろの壁を見たら、裏側は外になっていました。
んっ!
壁をぶち抜いて工事しているらしく、なんともびっくりする風景です。
窓の外は墓
部屋に戻ると、開かずの間にある?”きりぎりす”の部屋の周りには工事の人が入っていて、高いところに上がっている人からは、”きりぎりす”の部屋の中が上から丸見えの状態でした。
それって、もしも朝に入浴しようとしたら、とんでもないことになっていたのではないですか?
そして、窓のカーテンを開けて見ると、ホテルの裏には何も建っておらず、下の方を見るとお墓でした。
んぎゃあーーーーーーー
ダニ(南京虫?)の餌となる
さらに、ホテルを出てから気づくと、手のひらにたくさんの虫刺されを発見しました。それは、やたら痒くて、痒くて、その後1ヶ月近くも悩まされるほどでした。
宿泊したポルトガル(ポルト)のホテルは、星は3つか4つ付いていたと思います。料金もそこそこなのに、なんとまあ
夜中のホテル探しなんかするもんじゃあないですね。ふと『注文の多い料理店』を思い出しました。
朝になったら、外に寝ていた